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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

真言宗における大日如来と弘法大師

仏教徒にとって、一番大事なのは
お釈迦様?大日如来?阿弥陀様?観音様?
その中で「弘法大師」の位置づけって
どういうものなんでしょうか。(うちの宗派も真言宗なもので)

このような質問がありましたのでお答えしたいと思います。

ちょっと答えにくい質問です。

佛教徒と一口にいっても日本の伝統宗派だけでも
13宗あります。
新興仏教を含めるとどれだけあるか、分かりません。
それに加え、スリランカ、タイ、ミャンマー、チベットなど
諸外国でもそれぞれかなり異なった教義のもとに
仏教を名乗っています。

ですから、各立場でそれぞれ一番大事なものは、
異なってきます。

それを理解していただいた上で真言宗の立場をお話します。

真言宗では大日如来が宇宙の真理を現していると考えています。
ただ、その大日如来があるときは阿弥陀如来、
そしてあるときは観世音菩薩、
そしてあるときは現実世界にお釈迦さんとして現われます。

まるで、多羅尾伴内(ご存知ですか)のようですが、
お薬師さんも、お地蔵さんも、お不動さんも、毘沙門さんも、
神社の神様までもすべてその実態は大日如来なのです。

さて、弘法大師の位置づけです。
弘法大師も大日如来の化身といえますが、
真言宗ではちょっと特別な存在で、「南無大師遍照金剛」と
弘法大師を拝みます。

何故、弘法大師を拝むか?

高野山の大門に
「日々出て影向を欠かさず、処処の遺跡を検知す」とあります。
これは弘法大師が毎日いろいろなところを廻って
人々を助けているという意味です。

弘法大師伝説は3000以上あるともいわれますが、
この元になったのが、弘法大師が困った人を
助けに来てくれるという教えです。

非科学的ではありますが、真言系の学者は真顔で
この話をしますし、真言宗の教義とは反するにも関わらず、
高徳の僧ほどこのことを信じています。

不思議な話ですがそれが真言宗です。
このことについては、また改めてお話したいと思います。

ところで、遍照金剛というのは大日如来の徳を現しています。
何故弘法大師が遍照金剛か?これには訳があります。

密教の灌頂という儀式を受ける時に、
投華得仏というものを行います。
これは曼荼羅の前で華を投げ、仏様と縁を結びます。
その時に、弘法大師の投げた華が曼荼羅の大日如来の上に
落ちたので、その時にこの名前を貰いました。

それ以来遍照金剛は弘法大師の代名詞になっています。


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